なぜ真っ昼間の銀座で夜の酒場の幻影を見るのか

銀座の裏通りを歩いていたら、昔のビルに入っていた昔のバーが張り紙を出していた。「移転のお知らせ」
さすがに昭和初期からの古いビルだから、ついに立て替えになるらしい。

銀座ではとても有名なバーで、ファンも多いことだろう。石造りの入り口から地下に降りていくと廊下の先にバーカウンターがあり、さらにその向こうにはソファのボックス席が並んでいる。大人数でも入れたので食事の後で流れるにはいい店だった。飲み物も、ハイボール、ジントニック、ドライマティーニ、なんて王道が相応しかった。

しつらえはとことん古くて、ソファもだいぶヌケていたような気がする。照明が落ちているときは紫煙がゆっくり流れて昔の映画のようだった。が、閉店で追い出されるときに明るくなると100年の恋も冷めるような貫禄で、まあ、大学生の頃初めて入ったときにはすでにかなり古い店だったし。

お別れは悲しいが、時は流れるものである。感謝を込めてさよならを言おう。

webで検索したら記事が出ていた。



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